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浅倉南に学ぶ最強の恋愛テクニック

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上杉達也浅倉南を愛しています。世界中の誰よりも」

 

主人公・上杉達也(通称:タッちゃん)は、幼馴染の浅倉南に自分の想いを伝えたあと、事故で亡くなった双子の弟・和也の代わりに、甲子園優勝という夢を実現する。


1981年から1986年に連載された、名作野球漫画『タッチ』のラストシーンだ。

 

兄弟の絆、幼馴染との恋愛、部活仲間との友情……すべての青春要素が詰め込まれたこの漫画を、高校生の私は古本屋で全巻購入し、何度も読み返した。

 

最近では本棚の奥にしまったままになっていたが、コロナ禍でおうち時間が増えたこともあり、約20年ぶりに読み返してみることにした。

 

 

 

名作は色褪せない。20年前と変わらない感動と笑いがあった。
しかし読み進めていくうちに、高校生の頃とは違う感動がこみ上げてくる。

 

 

浅倉南の恋愛テクニック、すごすぎない?

 

 

作品中で南は、幼馴染の達也、和也兄弟はもちろん、他校野球部のスター選手からも想いを寄せられている。さらに学校中の男子のマドンナ的存在だ。


南の言動に注目しながらこの漫画を読み進めていくと、皆が夢中になってしまうのも頷ける、王道にして最強の恋愛テクニックが随所にちりばめられている。

 

『タッチ』とは、野球漫画のふりをした恋愛指南本ではないかと思うほどだ。

 

私が特に凄いと感じた南の恋愛テクニックを紹介したいと思う。

 

 

 

 

浅倉南の恋愛テクニックその1『強さと弱さの緩急』


南の性格は、明るく前向きだ。そしてかなり気が強い。


面倒くさがり屋でいい加減な達也に対しては母親以上に小言を言っているし、暴言を吐いた野球部の監督に平手打ちを食らわせたこともあるほどだ。

 

しかし、そんな南が新体操の大会に出場する際、応援にきてくれた同級生の男子たちの前で突然弱音を吐きまくる。

 

「ダメみたい……」
「朝起きてここにくる途中もいやでいやで仕方なかった」
「やだな。逃げちゃおうかな」
「きっとメチャクチャになっちゃうもん」
「なんでわたし、ここにいるんだろう」

 

いつもは明るく皆を励ます南からの怒涛の弱音ラッシュに、唖然とする同級生男子たち。普通の女子なら、ここで男子からの慰めの言葉を待つだろう。

 

 

しかし、浅倉南は違う。

 

 

男子たちをじっと見つめたあと、ポロッと一粒の涙を流し「情けね」と言って走り去るのだ。
いつもは超強気な南の見せた超弱気な一面。そして走り去ったことで、その姿はしっかりと男子たちの脳裏に刻まれる。

 

おそらく、達也という存在がなければ、同級生男子たちは皆、走って南を追いかけ彼女を強く抱きしめたことだろう。

 

 

 

 

浅倉南の恋愛テクニックその2『ライバルへの華麗な牽制』


達也は野球部のエースだ。言い寄ってくる女子もかなり多い。

 

なかでも野球部マネージャーの新田由加は、あの手この手を使ってついに達也との映画デートにこぎつける。

 

人づてにそのことを聞いた南は不機嫌になり、達也に対しぶつぶつと文句をぶつける。しかもその直後、「きのうの映画よかったですねえ」と由加が南を挑発するように達也に話しかけてくる。

 

普通の女子ならイライラした気持ちがピークに達し、ギロッと由加を睨みつけるだろう。

 

 

しかし、浅倉南は違う。

 

 

直前まで不機嫌に達也を責めていたとは思えないほど、余裕たっぷりの表情でこう言ってのけるのだ。

 

「恋愛映画じゃ、覚えているのはせいぜい前半の30分までね。ラストシーンのころは熟睡のはずだもん。次からタッちゃんを誘うなら、アクションかコメディーものにすることね」

 

達也のことは何でも知っているとでも言いたげな南のその態度に、由加はくやしそうに持っていたかばんを地面に投げつける。


どんなにはらわたが煮えくり返っていても、ライバルたちの前では一切表情に出さず、華麗にマウントをとってみせる。こんな女子が相手では、大抵の人間は戦意喪失してしまうだろう。

 

 

 

 

浅倉南の恋愛テクニックその3『適度な挑発による刺激』


達也と南の家は隣同士で、物心ついた時からほとんど毎日顔を合わせて暮らしてきた。しかしそのせいで、南は達也からこんなことを言われてしまう。

 

「きっと、近すぎるんだよ距離が……安心しきってるとこがあるんだよな。不安になったり、ヤキモチをやいたり、そういうことをくり返すうちに、だんだん気持ちがもりあがってきて……そういう部分が欠けているんだよ。だから、なかなか関係が、ハッキリ……」

 

幼馴染がゆえに、高校生にして訪れた倦怠期である。


こんな時、普通の女子なら「私のこと好きじゃないの? 距離を置きたいの?」と慌てて関係をはっきりさせようとするだろう。

 

 

しかし、浅倉南は違う。

 

 

「もしタッちゃんがだれかを本気で愛して、それが南のとてもかなわないようなステキな人だったら、南は幼馴染としてちゃんと祝福してあげるからね」

 

そう言って軽く突き放したあと、達也の頬にキスをして去っていくのだ。

 

その後も南は攻撃の手をゆるめない。

南に想いを寄せる他校のスター選手・新田明男のバイクの後ろに乗ったり、入院した新田のお見舞いに毎日病院に通ったり、達也と比較するように新田の話を持ち出したりと、わざと他の男子の存在をちらつかせて達也を挑発するのだ。

 

すると、あんなに余裕綽々だった達也が、新田に対してヤキモチを焼き焦り始める。そして最後には、冒頭の達也からの熱い愛の告白へとつながっていくのだ。

 

 

男子たちは、南の手のひらで転がされている。
女子たちは、南にはかなわないと感じてしまう。


約40年前に描かれたその恋愛テクニックの数々は、野球漫画としての感動同様、全く色褪せていない。

 

すでに読んだことがある人も、ぜひ一度、魔性の女・浅倉南に注目して読み返してみてほしい。
私はこの全26巻におよぶ恋愛指南本を熟読し、私だけのタッちゃんをゲットしたいと思う。

 

 

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